新領域  サステイナブル社会デザインセンター

サステイナブル政策コース

202534日()~37日()

1.共同で漁業資源を管理する:宮城県南三陸町の事例から (科類問わず)(理科・文科)

石原広恵 准教授 ・ 福永真弓 准教授

課題内容 (南三陸町で実習

漁業などの共有資源と呼ばれる資源は、乱獲などによって資源枯渇(経済学の用語では「コモンズの悲劇」)に瀕すると言われています。そのため、国家による規制(漁業政策など)などで資源枯渇を回避するトップダウンのアプローチが取られる場合もありますが、日本においては漁業者による自主管理(共同管理)、ボトムアップのアプローチが取られています。この課題では実際に、宮城県南三陸町を訪問し、具体的にどのような漁業管理が実施されているのかを考察します。

研究室URL福永真弓) https://fukunaga-labo.net/about/

参考図書

『日本漁業の制度分析― 漁業管理と生態系保全 (水産総合研究センター叢書)』 牧野 光琢  (著)
『コモンズのガバナンス―人びとの協働と制度の進化』 エリノア・オストロム (著)

2.グローバルヘルスと生活習慣病:カンボジアの糖尿病対策を評価してみよう (科類問わず )(理科・文科)

齋藤英子 准教授 ・ 笹山桐子 特任研究員

課題内容 

世界では、先進国のみならず中低所得国においても、従来の感染症ではなく生活習慣病の増加が顕著にみられます。本コースでは、カンボジアの糖尿病対策を事例とし、糖尿病の罹患率・死亡率とその背景にある生活習慣のデータを分析することで、カンボジアにおける糖尿病対策の効果をグループで議論しながら評価していきます。さらに今回は、カンボジアの生活習慣病対策の第一線で活躍されている国立国際医療研究センターのゲストスピーカーを迎え、カンボジアとオンラインでつなぎ、グローバルヘルスの現場からお話を伺う予定です。

キーワード

グローバルヘルス、生活習慣病、疾病対策

3.Multidisciplinary perspectives on carbon neutrality: justice, ethics, and technology (Language: English)

多角的視点からのカーボンニュートラリティ:正義、倫理、技術 (科類問わず)(理科・文科)

張潤森 准教授 ・ Naw Thiri, May Aye 助教 ・ Laÿna Droz 助教

課題内容

カーボンニュートラリティは、地球規模の気候変動に対処するための重要な取り組みであり、私たちの未来の生存と発展に直接影響を与えます。しかし、カーボンニュートラリティの達成は技術的な課題に留まらず、正義と倫理の問題も含んでいます。したがって、この英語コースでは、学際的な視点を取り入れ、カーボンニュートラリティの複雑さを掘り下げ、正義、倫理、技術の交差点を考察します。本コースは気候変動と持続可能性をめぐる現在進行中の対話に批判的に評価し、積極的に関与するための知識とツールを身につけることを目的としています。

キーワード

カーボンニュートラリティ、正義、倫理、技術、学際的


Instructors: Runsen Zhang, May Aye Naw Thiri, Laÿna Droz

Course Description 

Carbon neutrality is a crucial initiative in addressing global climate change, directly impacting our future survival and development. However, achieving carbon neutrality is not solely a technical challenge; it also encompasses issues of justice and ethics. Therefore, this course adopts a multidisciplinary perspective to delve into the complexities of carbon neutrality, examining the intersections of justice, ethics, and technology. This course aims to equip students with the knowledge and tools to critically assess and engage in the ongoing dialogue around climate change and sustainability.

Keywords

carbon neutrality; justice; ethics; technology; multidisciplinary

Language English

4.複合的危機って何だろう?:気候変動対策と資源利用から学ぶ(科類問わず)(理科・文科)

肱岡靖明 客員教授 ・ 藤井実 客員教授 ・ 中島謙一 客員教授

課題内容

国連環境計画が、地球的危機としての”the triple planetary crisis” (気候変動、自然・生物多様性喪失、汚染)を指摘しているように、私たち人類は、複合的危機に直面していると言われています。本プログラムでは、気候変動対策(緩和策あるいは適応策)を対象に、対策に係わる資源利用を通じた他の環境問題や社会問題などへの副次的影響(トレードオフ・シナジー)を考えます。文献検索と共にワークショップ形式で関係性の整理と可視化に取り組むことで、環境問題や関連する複合的危機への理解を深めることを目的とします。

キーワード

サステナビリティ、資源、気候変動、生物多様性・自然共生、汚染、循環経済

研究室URL https://envsys.k.u-tokyo.ac.jp/tcos/