新領域 生命科学研究系
生命コース
2025年2月18日(火)~2月21日(金)
【 生命コース プログラム 】対象:理科・文科(プログラム4は理科のみ)
1.「トゲウオから探る適応進化の分子遺伝機構」 (理科・文科)
石川麻乃 准教授
課題内容
トゲウオ科イトヨは氷河期以降に海から淡水域に進出し、各地で急速な多様化を示していることから、近年、進化生物学のモデル種としてその適応進化の分子遺伝機構についての研究が進んでいます。本実習では、海から淡水域への進出に重要であった遺伝子重複に着目し、候補遺伝子のコピー数変異や発現解析を体験します。
キーワード
適応進化、コピー数変異、トゲウオ、イトヨ
研究室URL https://sites.google.com/view/asanoishikawa/home
参考図書 「遺伝子から解き明かす魚の不思議な世界」第7章 様々な淡水環境に適応進化したトゲウオたち
2.寒さへの適応能力に関するゲノム研究 (理科・文科)
中山 一大 准教授
課題内容
ヒトは、寒い環境では体内で熱を産生して体温の低下を防ぎます。このはたらきを担っている組織の一つが褐色脂肪組織(BAT)です。BATのはたらきには大きな個人差があり、一塩基多型(SNP)に代表されるゲノム情報の個人差が、これに関与していることが明らかになりつつあります。このプログラムでは、参加者の皆さんのBATの活性を、赤外線カメラを用いて測定するとともに、唾液等からゲノムDNA抽出し、SNPの判定解析を体験します。
キーワード
褐色脂肪組織、赤外線カメラ、一塩基多型、ヒト
3.植物木部道管細胞から学ぶ細胞分化のダイナミクス (理科・文科)
大谷 美沙都 教授
課題内容
細胞が特定の機能を発揮するために形態や物質生産能力を変化させる現象は細胞分化と呼ばれ、多細胞生物の複雑な生理活性を支える基盤となっている。本実習では、陸上植物の通水細胞である道管細胞を題材に、植物細胞分化のしくみを学ぶことを目的とする。このために当研究室で開発した道管細胞分化誘導システムをもちいて、分化に伴う細胞骨格や細胞壁タンパク質、遺伝子発現のダイナミクスを明らかにする。
キーワード
道管細胞、細胞壁、細胞分化
研究室URL(先端生命科学専攻HPより) https://www.ib.k.u-tokyo.ac.jp/faculty/plant_functional_analyses/
研究室HP https://plantfunkashiwa.jimdofree.com
参考図書
Kamon E, and Ohtani M. (2021) Xylem vessel cell differentiation: A best model for new integrative cell biology? Curr Opin Plant Biol. 64: 102135. doi: 10.1016/j.pbi.2021.102135.
4.性別決定の分子メカニズムとその人為操作 (理科のみ)
鈴木 雅京 准教授
課題内容
オスとメスはどのようなしくみで決定されるのでしょうか。この問いに答えるため、本プログラムではショウジョウバエとカイコの性決定遺伝子をモデルとして、性別決定を支配する一連の遺伝子を様々な組合せで培養細胞に導入し、性別決定のしくみを分子レベルで理解します。また、得られた実験結果に基づいて、ショウジョウバエとカイコの性別決定のしくみにみられる共通点と相違点について考察します。
キーワード
性決定、培養細胞、遺伝子導入、選択的スプライシング
研究室URL https://webpark1599.sakura.ne.jp/seigyo/
参考図書
「昆虫たちの不思議な性の世界」 大場 裕一(編)一色出版
「カイコの実験単」 日本蚕糸学会(監修)NTS INC.
「カイコの科学」 日本蚕糸学会(編)朝倉書店