大気海洋研究所
大気と海洋コース
2025年2月25日(火)~2月28日(金)
1.人工衛星データを用いて地球環境を調べてみよう (理科・文科)
今須 良一 教授
課題内容
地球温暖化、大気汚染、森林破壊、砂漠化など、さまざまな地球環境問題の把握や、その解決の基礎となるデータの取得のために人工衛星が利用されています。本実習では、これらのデータを、地図投影機能がある Google Earth を利用してマッピングし、顕著な環境変化を視覚的に捉えることを目指します。連続した画像の組み合わせからそれらをアニメーションにする技術も習得します。解析対象は、大気、海洋、陸面、植生の他、農業関連情報なども解析可能です。
キーワード
人工衛星、地球環境、画像解析、リモートセンシング
2.南極海の石から探る変動する地球の姿 (理科・文科)
山口 飛鳥 准教授
課題内容
日本列島には、過去5億年にわたって海洋プレートが沈み込み続け、その結果、沈み込み帯に特徴的な岩石が形成されています。実は、南極海の氷の下にも、日本列島で見られるものと似た岩石が存在することをご存じでしょうか?このコースでは、学術研究船白鳳丸の世界一周航海で南極海の海底から採取された岩石を用いて、岩石試料の物性測定(密度・間隙率)、最新のX線分析機器による鉱物分析・化学分析を行います。岩石の物理化学分析の基礎を学びながら、プレート運動によって変動する地球の姿を岩石から探ってみましょう。
キーワード
南極海、プレートテクトニクス、沈み込み、付加体、変成岩
3.バイオロギングで調べる海洋動物の行動と生態 (理科・文科)
坂本 健太郎 准教授
課題内容
バイオロギングとは、小型のセンサーやビデオカメラを野生動物に取り付けることで、自然な状態での動物の行動や生態を調べる方法です。バイオロギングは、直接観察が難しい海洋動物を研究する時には、特に力を発揮します。私たちはバイオロギングによってウミガメや海鳥の行動や生態を調べてきました。サイエンスキャンプでは、ウミガメから得られたセンサーデータをみんなで解析し、海を自由に泳ぐウミガメの行動を調べます。
キーワード
バイオロギング、ウミガメ、行動、生態
研究室URL https://sites.google.com/site/kqsakamoto/contact
参考資料 https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2024/20240306-1.html
4.未知なる海の動物プランクトンの多様性を探索しよう (理科・文科)
平井 惇也 講師
課題内容
わずか数ミリ程度の動物プランクトンは魚類等の重要な餌として海洋生態系を支え、現在知られているだけで数千を超える種が海洋に存在しています。また、近年の分子生物学的の導入により、動物プランクトンには従来の想定以上の多様性が存在することが明らかになってきました。本プログラムでは特に調査が限られている冬季のオホーツク海に着目し、海氷下の未知なる動物プランクトンの多様性を顕微鏡観察・DNA解析により探索していきます。
キーワード
多様性・動物プランクトン・顕微鏡観察・DNA解析
5.DNAから探るサンゴ礁生態系の謎 (理科・文科)
新里 宙也 准教授
課題内容
サンゴ礁は、地球上で最も生物多様性が豊かな環境の一つとして知られています。その礎となっているのが刺胞動物の仲間、造礁サンゴです。造礁サンゴの生態は、未だ多くの謎に包まれています。今回の実習では、サンゴの生態の謎の一つ、初夏に見られる一斉産卵を取り扱います。サンゴの養殖場での一斉産卵、どの種のサンゴが実際に産卵していたのか、DNA情報を用いて調べてみたいと思います。