新領域 基盤科学研究系
エネルギーとマテリアルコース
2025年2月25日(火)~2月28日(金)
【 エネルギーとマテリアルコース プログラム 】対象:理科・文科(プログラム4は理科のみ)
1.超伝導で体験する量子物性の世界 (理科・文科)
芝内孝禎 教授 ・ 橋本顕一郎 准教授
課題内容
超伝導体は、電気抵抗がゼロになる、完全反磁性を示す、磁束が量子化するなど、古典物理学では理解できない性質を示します。超伝導研究は、リニアモーターカーや量子コンピュータなどの実社会への応用とともに、多数のノーベル賞を排出する基礎物理学としても非常に重要な研究分野です。本プログラムでは、実際に超伝導体の低温物性測定を行い、その不思議な性質を体験することにより、物質中の超伝導電子が示す量子効果とその物理的性質について学びます。
キーワード
超伝導、磁気浮上、低温実験、電気抵抗
研究室URL http://qpm.k.u-tokyo.ac.jp/
2.形状記憶合金の不思議 (理科・文科)
御手洗容子 教授
課題内容
金属材料は、外力を負荷すると塑性変形し、元の形状には戻りませんが、形状記憶合金は、合金を加熱することで元の形状に戻ります。その秘密は、マルテンサイト変態にあります。一方、日本刀はマルテンサイト変態を利用して強靭になりますが、形状記憶特性は発現しません。この違いは金属組織にあります。熱処理による組織の違いとそれが力学特性や形状記憶特性に与える影響を調べて、形状記憶合金の不思議に迫りましょう。
キーワード
キーワード:マルテンサイト変態、形状記憶特性、金属組織、形状記憶合金、鉄鋼材料
参考図書
トコトンやさしい形状記憶合金の本 B&Tブックス日刊工業新聞社
研究室URL https://www.k.u-tokyo.ac.jp/materials/mitarai/index.html
3.走行中給電を体験しよう (理科・文科)
藤本博志 教授 ・ 清水 修 准教授
課題内容
電気自動車の運動制御と走行中給電の実験を体験できます。
運動制御では運転ができる車両を用いた制御を行うため、運転免許を持っていると運転しながら制御の効果を実感することができます。走行中給電は、自分で走行中給電に必要な回路を作り、走っているミニモデルに給電をすることを通して、走行中給電の原理や現象の理解を深めます。
キーワード
EV、制御、電気
4.大型風洞を使って学ぶ超音速ジェットの流体力学 (理科のみ)
岡本光司 准教授
課題内容
ロケットや超音速航空機用エンジンにおいては、充分な推進力を得るために、燃焼ガスを超音速で噴出させる必要があることから、それを作り出す超音速ノズルの流れ場を理解することは、極めて重要です。本プログラムでは、柏キャンパスにある極超音速高エンタルピー風洞を用いて、超音速ジェットの可視化実験を行います。作動条件によって様々に変化する流れ場を、シュリーレン法と呼ばれる手法を用いて可視化し、理論から予測される流れ場との比較検証を行います。
キーワード
超音速ジェット、超音速ノズル、風洞、可視化、流体力学
5.核融合プラズマを電磁波で測ろう(理科・文科)
辻井直人 准教授
課題内容
核融合炉においては,摂氏1億度のプラズマを安定に効率よく閉じ込められるよう,プラズマの圧力・電流分布を最適な状態に制御する必要があります.そのためには,まずプラズマの状態を知る必要がありますが,プラズマは荷電粒子の集合なので,マイクロ波やX線といった電磁波を使うことで様々なパラメータを計測することができます.本プログラムでは,柏キャンパスのTST-2球状トカマク装置を用いて,400万度にもなるプラズマの計測を体験していただきます.
キーワード
核融合,球状トカマク,プラズマ計測