2026年2月24日(火)~2月27日(金)
川田 和正 准教授
課題内容
宇宙では地上の⼈⼯加速器のエネルギーを1000万倍も上回る「最⾼エネルギ ー宇宙線」が⽣成されています。最⾼エネルギー宇宙線の起源を探るため、テレスコープアレイ(TA)実験では、宇宙線が地球⼤気と反応して作る空気シ ャワーを観測しています。本課題では、TA実験で利⽤するプラスチックシン チレータと光電⼦増倍菅を利⽤して地上に到達する宇宙線を観測します。極限宇宙観測と放射線検出の基礎を習得します。
キーワード
最⾼エネルギー宇宙線、空気シャワー、放射線検出器
研究室URL http://www-ta.icrr.u-tokyo.ac.jp
参考図書
小山勝二他「シリーズ現代の天文学8-ブラックホールと高エネルギー現象」(日本評論社)
井上一他「シリーズ現代の天文学 17-宇宙の観測 III」(日本評論社)
木舟正「宇宙高エネルギー粒子の物理学-宇宙線・ガンマ線天文学(新物理 学シリーズ)」(培風館)
小田稔「宇宙線」(裳華房)
Malcolm S.Longair “High Energy Astrophysics” CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS
平出 克樹 准教授
課題内容 (神岡宇宙素粒子研究施設で実習)
ニュートリノは飛行中に元の種類から別の種類に変化する「ニュートリノ振動」という不思議な現象を起こす。この現象はニュートリノの性質を探る手掛かりとなり、 この20年で様々な性質が明らかになってきた。また、ニュートリノは宇宙の成り立ちにも深くかかわってきた可能性が予想されている。そのニュートリノ研究の最前線である「スーパーカミオカンデ」検出器と、将来計画の「ハイパーカミオカンデ」計画におけるニュートリノ観測・研究の基礎を学習し、その性能を左右する光センサーや電子回路について学ぶ。
キーワード
ニュートリノ、スーパーカミオカンデ、ハイパーカミオカンデ、光センサー、電子回路
宮川 治 准教授
課題内容 (神岡宇宙素粒子研究施設で実習)
岐阜県飛騨市神岡の地下にあるKAGRAでは、レーザーを使った干渉計を用いることで重力波の検出を目指しています。本プログラムでは、実際に小さなマイケルソン干渉計を組み立て、微小信号を計測することを通じて、重力波を検出する原理を理解します。組み立てた干渉計のノイズを測定し、取得データの解析や、必要ならノイズハンティングをします。重力波検出がノイズとの戦いであることが理解できるはずです。
キーワード
重力波、一般相対性理論、マイケルソン干渉計、精密測定
研究室URL https://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp
https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/gr/GWPOHP/index.html
参考図書
安東 正樹『重力波とはなにか「時空のさざなみ」が拓く新たな宇宙論』 (ブルーバックス)
高橋 真理子「重力波 発見!」 (新潮選書)
窪 秀利 教授
課題内容
強重力場や強磁場など極限状態を持つ天体である、巨大ブラックホールや中性子星の性質を探るため、チェレンコフテレスコープアレイ天文台(CTAO)では、これらの天体から放射されたガンマ線が地球大気に入射した際に生じる光(チェレンコフ光)を口径10m級の地上望遠鏡で集光し、高速カメラで捉えています。本課題では、小型の観測装置を製作し、信号を観測します。高エネルギー宇宙現象の観測装置とデータ解析の基礎を習得します。
キーワード
高エネルギー天文学、ブラックホール、中性子星、高速光検出器
研究室URL https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~cta/
参考図書
小山勝二、嶺重慎 編 「シリーズ現代の天文学8-ブラックホールと高エネルギー現象」 (日本評論社)
井上一、小山勝二、高橋忠幸、水本好彦 編 「シリーズ現代の天文学17-宇宙の観測III 高エネルギー天文学」 (日本評論社)
柴崎徳明 著 「中性子星とパルサー(New cosmos series 6)」 (培風館)