新領域 環境学研究系
環境コース
2025年3月4日(火)~3月7日(金)
1.カーボンニュートラル国際海運システムのデザイン(理科・文科)
稗方和夫 教授 ・ 中島拓也 助教
課題内容
国際海事機関(IMO)の海洋環境保全委員会(MEPC)では、国際海運における中・長期的な温室効果ガス削減対策としてEUが提案する温室効果ガス排出強度規制(GHG Fuel Standard, GFS)と経済的手法(MBM:Market-Based Measures)を併用する方針である。MBMのうちFeebateは日本が提案した方式であり、比較的安価な化石燃料と高価なゼロエミ燃料の価格差を課金と還付によって補填する。Feebateを含む経済的手法は排出量を基準にする規制ではなく、利害関係者の行動に作用するものであるため、二酸化炭素排出抑制効果の予測が容易ではないという課題がある。本プロジェクトでは、このような規制やFeebateのような経済的手法による船会社や荷主の行動の変化をシミュレートすることで、国際海運のカーボンニュートラル化を効果的に進める制度の検討を行う。
※プログラミングを勉強する意欲があれば、応募時点で書けなくても構いません。
キーワード
カーボンニュートラル、国際海運、マルチエージェントシミュレーション
研究室URL https://is.edu.k.u-tokyo.ac.jp/
参考図書
稗方和夫, 髙橋裕:システム思考がモノ・コトづくりを変える デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法, 日経BP, (2019)
https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/J_00149.html
新領域創成科学研究科広報誌「創成」43号特集「カーボンニュートラル社会を担うエネルギー技術」
2.CO2を捕まえよう(理科・文科)
伊與木健太 准教授
課題内容
世界的にカーボンニュートラルの達成に向けた取り組みが加速しています。二酸化炭素を減らすには色々な方法があり、小さな孔がたくさんある多孔質材料を用いて捕まえてしまう(CO 2 capture)という方法もそのひとつです。本プログラムでは、環境に関わる材料の合成・評価と、それを用いた応用までを体験してもらいます。
キーワード
二酸化炭素除去、多孔質材料、合成、吸着
3. 音と技術が紡ぎだす 森と人の将来像(理科・文科)
中村 和彦 講師
課題内容
わたしたちは普段、自然からさまざまな恩恵を受けていますが、その中でも“音”は特に意識しにくいもの。だからこそ、音の側面から捉えることではじめて、自然の真の姿が見えてきます。このプログラムでは、柏キャンパス内の「ユニヴァーシティ・グリーン」とよばれる樹林地を対象として、遠方の東大秩父演習林とも比較しながら“音のフィールドワーク”を行い、感性と情報通信技術が紡ぎだす森と人の将来像について考察します。
キーワード
森林、感性、フィールドワーク、情報通信技術
4.海岸の波の運動をシミュレーションしてみよう(理科・文科)
奥田洋司 教授 ・ 松永拓也 講師
課題内容
流体シミュレーションは、自然科学を対象とした学術的研究、ものづくりのための設計支援、物理ベースのコンピュータグラフィックスなど、広範な分野・目的に応用されています。本課題では、環境シミュレーションという切り口で、数値流体解析の先端技術を学びます。受講者が自らの手でプログラミングを行い、「粒子法」による流体シミュレーションを体験します。そして、物理現象のモデリング、シミュレーションの実行、計算結果の可視化などの一連のスキルを習得します。
キーワード
流体力学、コンピュータ、プログラミング